「さ、早く朝ごはん食べよっか?」


「うん」

私たちは1階におりると、席に着いた


私たちに親なんて居ない

家族はこの私の目の前の無駄に顔が整いすぎてる兄のともきだけだ

家族がいないから私のことを好き放題弄びまくるのだ

みんなからは逃げないの?と聞かれたけれど

実は逃げ出そうとしたことは何度だってある


でも兄はそれを許さないのだ

まるで私でストレス発散をしてるかのようだ


「お兄ちゃんのご飯美味しいよ?」

咄嗟に口から出た言葉

まぁ本音なのだけれど

「心乃美…今日どこを遊びに行くのか決まったのか?」

その言葉で手がピタッと止まった

もうひとつ言っておくことがあるんだけど

それは私だけで外に出してくれないこと

なぜだか分からないけど、どこ行くのにも兄は着いてくる

学校はまだいいんだけれど


友達と遊びに行くと伝えると

『なんで?俺もついて行くのはダメなの?

ねぇ、俺もいいよね?』

って少しだけヒステリック気味に言うから

渋々兄を連れていったことがある


そしたら案の定友達は引いた

それからその友達とは音信不通になった


せっかく私が心の底からだいすき!信頼できるって思ってたことだったのに


この兄がいる限り私は1人で暮らしていくことは難しい


15歳ながらにそんなことを思うようになってしまった


それも全部この兄のせいだ


「遊園地行かない?最近新しくリニューアルオープンしたって言ってたから」


兄と目を合わすと一瞬たりとも離せなくなるから

私はもう違うところを見ながら話すようになった