顔を真っ赤にするレジーナに対し、ヴァニタスは優しく微笑みながらレジーナの手を取る。そして言った。
「この歯のことは、次に会えた時に必ず伝える。だからいつか会おう。そしてその時はーーー」
ヴァニタスが小指を差し出し、レジーナも同じように小指を差し出し、その指を絡め合う。東洋の島国に伝わる約束をした時にする「指切り」というものだと、ヴァニタスが教えてくれたものだ。
こうしてあの日、レジーナは「約束」を交わした。
処刑台に固定されたレジーナを見て、民衆の声はさらに大きくなる。それを聞きながら、レジーナは自身の首が落とされるその時を待っていた。
(あの歯は一体何だったんだろう。それだけは最期に知りたかった)
ヴァニタスは今、どこで何をしているのだろうか。あんなに華やかな顔立ちをしているのだから、どこかの国で舞台俳優などをしていてもおかしくない。
死刑執行人がレジーナの頭上に吊るされた刃を落とそうとしたその時だった。広場に、怒号ではない凛とした声が響く。
「この歯のことは、次に会えた時に必ず伝える。だからいつか会おう。そしてその時はーーー」
ヴァニタスが小指を差し出し、レジーナも同じように小指を差し出し、その指を絡め合う。東洋の島国に伝わる約束をした時にする「指切り」というものだと、ヴァニタスが教えてくれたものだ。
こうしてあの日、レジーナは「約束」を交わした。
処刑台に固定されたレジーナを見て、民衆の声はさらに大きくなる。それを聞きながら、レジーナは自身の首が落とされるその時を待っていた。
(あの歯は一体何だったんだろう。それだけは最期に知りたかった)
ヴァニタスは今、どこで何をしているのだろうか。あんなに華やかな顔立ちをしているのだから、どこかの国で舞台俳優などをしていてもおかしくない。
死刑執行人がレジーナの頭上に吊るされた刃を落とそうとしたその時だった。広場に、怒号ではない凛とした声が響く。


