ラケットの編み編みしたところを、私は自分の顔の横に持っていく。 そして隣に立つ黒岩君の方を向きながら、勇気を出して目を閉じた。 結婚式では、誓いのキスが当たり前。 お母さんが見せてくれた結婚式の写真にも、お父さんとのウエディングキスの瞬間がおさめられていたし。 でも……やっぱり恥ずかしいよ…… お願い、助けて。 黒岩君!! 目をきつくつぶったまま、恥ずかしさで倒れそうになっている私。 「無理なんかさせて……ごめん……」 黒岩くんの悲しそうな声が耳に届き、私はまぶたを開けた。