「それじゃ、始めよっか」
ハンドマイクなんて、どこに忍ばせてたの?
そんな疑問がかすめた時にはすでに、茜ちゃんがマイクの電源をオンにしていて。
マイクはすでに茜ちゃんの口元にピタッ。
目をつぶり深呼吸をした茜ちゃんは、二人だけのこの部屋で片手をあげた。
「皆様、大変長らくお待たせをいたしました。新郎、黒岩潤。新婦、白石由乃。フライング結婚式を始めます!」
マイクを通した茜ちゃんの軽快な声。
反響するように、部屋の外から聞こえてくる。
ゆったりとしたピアノ演奏まで響いてきて……
「もしかしてこの部屋の外は……」
レースでふわふわなドレスを握りしめ、私はブルブル震えてしまう。



