由乃が恥ずかしがっている原因。
それは当然、クラスメイトからの視線を浴びまくっているせいだと思うけれど。
クラスメイトがうじゃうじゃな教室で。
照れ屋の由乃が、俺の頭を撫でてくれていたこの状況。
俺が顔を起こしたせいで、由乃の可愛い手は膝上にチョコンと収まってしまったけれど。
それでも由乃は、未だ恥ずかしさを鎮められないらしい。
視線を斜め下に逃がしながら、モゾモゾと肩を震わせている。
由乃はうつむいたまま、消えそうなほどか細い声をこぼした。
「左手……出してもらっても……いいかな?」
天使のささやき?
そう勘違いしてしまったのは、由乃の可愛い声に恥じらいが溶け込んでいたから。
どんな由乃の表情も、愛おしく瞳に写ってしまう俺は、言われた通りに。
自分の机の上に、左手を乗せてみる。



