すぐにAEDによる心電図解析が行われ、「電気ショックが必要です」と音声ガイダンスが流れた。
「離れて」
七緒にひと言断り、聖自身も江梨子から離れ、ショックボタンを押した。江梨子の体が大きく弾み、再び静かになる。
聖は再び人工呼吸と胸骨圧迫を続けた。
「よし、呼吸も脈拍も戻ってきたぞ。がんばれ、もう少しだ」
江梨子に声を掛け、遠のいた意識を呼び覚まそうと必死になる。
「救急車が到着しました! 道を開けてください!」
店員の声がどんどん近づき、人の群れがサーッと引いていく。タンカを持った救急隊員が現れると、聖は立ち上がり彼らに江梨子を引き渡した。
「AEDを使用し、人工呼吸と胸骨圧迫により呼吸と脈拍がわずかに戻ってきたところです」
「適切な処置をありがとうございます。すぐに救急搬送いたしますので」



