「ご飯、出来たので起きませんか?」


その映像を振りきるために朝食を口実に逃げようとしたが、聖は体を起こして七緒を組み伏せた。


「もう少しだけいいだろ。なんなら仕事前に一発」
「一発って! 言い方!」
「言葉を変えたって行為は一緒だ」


キスで誤魔化されそうになったが、聖の胸を押し返した。


「とにかくダメです。聖さんを遅刻させるわけにはいきませんから」
「わかったわかった。ちゃんと起きるよ」


ようやく観念したか、聖は体を起こして大きく伸びをした。はらりと落ちた毛布の下は、昨夜脱いで裸のまま。露わになった逞しい体から急いで目を背けて七緒はベッドから下りた。