「起きてたんですか?」
「七緒がベッドを出てすぐにね。昨夜の余韻から抜け出したくなくて、ずっとゴロゴロしてた」
「じゃ寝たふり?」
「七緒は絶対どこかにキスしてくるだろうと予想した通りだ」
動向を読まれていたとは不覚だ。
「場所も当たりました?」
「照れ屋の七緒だから唇はないだろうと踏んだ。額か頬のどっちかに違いないとね」
「読み通りですね」
なんだかとても悔しい。照れ屋だとばれているのも恨めしい。
「というわけで、おはよう、七緒」
抱き込んだ七緒の鼻先にキスをした聖は、そのまま唇にも触れた。
「……おはよう、ございます」
体勢のせいで昨夜の出来事が鮮明に蘇り、頬がカーッと熱くなる。



