敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~


聖が漫画や小説でありがちなベタな展開を繰り広げる。


「あら、なんの本だったの?」


孝枝に尋ねられ……。


「ミステリーです」
「恋愛ものです」


七緒と聖の声が被る。
聖ならばと、ミステリーにあたりをつけたが、彼は予想に反して恋愛ものと答えた。


「え?」


おかげで孝枝と利幸の双方から聞き返される羽目に。
今度こそは息を合わせようと――。


「恋愛もの」
「ミステリー」


聖が答えた〝恋愛もの〟に合わせようとしたのに、彼まで〝ミステリー〟に変更してしまった。共犯者なのに息がまったく合わない。