ものの五分くらいだろうか。通話を終えた聖は一気にペットボトルの水を飲み干してから七緒の元へ戻った。
「明日は十一時にここを出るぞ」
「そんなに早くですか?」
ここから会場まで車で三十分もあれば着くのに、三時間も前に出てどうするのだろう。
「いろいろ下準備があるからね」
「下準備?」
なんの準備があるのかわからず首を傾げるが、聖はニッと口角を上げて微笑むばかり。それはクルーズ船で七緒に『名案を思いついた』と言ったときと同じく、なにかを企てたような顔だった。
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