聖はいったん耳からスマートフォンを離し、七緒を見た。
「そのパーティーの時間は?」
おそらく何時スタートかを聞いているのだろう。
「えっとたしか……十四時です」
なぜ開始時刻の情報が必要なのか、不可解に思いつつ答える。
聖は親指と人差し指で丸をつくって〝オッケー〟の仕草をし、再びスマートフォンを耳にあてた。
「急で申し訳ないんだけど、明日……」
話しながらキッチンに向かい、冷蔵庫を開ける。ミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、スマートフォンを肩に挟んでキャップを外した。話の合間を縫って水を喉に流し込む。
七緒はその様子をソファの前に座り込んだまま見つめていた。
「サンキュ、助かる。……わかった。……ああ、じゃよろしく」



