敏腕外科医はかりそめ婚約者をこの手で愛し娶る~お前は誰にも渡さない~


炊飯ジャーからご飯を茶碗によそう。炊き立てのいい香りだ。

いただきますと手を合わせ、聖が箸を手に取る。

(そういえば手料理を家族以外の人に振る舞うのは初めてだよね。……なんか緊張する)

元彼の唯斗にも作ってあげたことはない。お互いに実家暮らしのため物理的に無理だったのもあるが、お弁当なら食べさせてあげられたなと今さらながら気づいた。

聖がまず口をつけたのは、根菜類をたっぷり入れた具だくさんの味噌汁だ。不足しがちな野菜を補うにはスープ類に入れるのが一番。一度にたくさん摂取できるから手っ取り早い。


「……いい味だ。すごくおいしい」


実感のこもった感想に胸を撫で下ろす。


「よかった」
「お腹からじわっと体じゅうに染みわたる感じ」


ごぼうなどから出る旨味と味噌との相性は抜群。出汁もしっかりとったから自分でもよくできた一品だと自信を持って言える。