なにか手伝うことはあるか?」
「ひゃっ」
突然だったため悲鳴じみた変な声が出て、肩が飛び上がる。
「この前もだけど、俺ってそんなに驚くような声か?」
「いきなりだからびっくりしただけです」
聖のことを考えていたからとは言えない。
「それじゃ今度からは〝今、声を掛けますよー〟って囁いてからにするか」
「そうですね、お願いします」
冗談めかす聖に、笑いながら返す。
「荷物のほうは手伝ってもらうほどではないので大丈夫です」
「そうか。肝心な場所を案内してなかったから、キリがよければちょっといいか?」
「はい」
いったん自分の部屋を出て、彼のあとを追う。
「七緒の仕事現場」



