奥様は強く言い聞かせています。

「新堂家の男というのは、愛する人の為なら手段を選ばないわ。

放っておくと、大変なことになるからね」

「大変な、こと…?」

若奥様はあまりピンと来ていないようです。

「例えば、依里ちゃんに近づこうとする男たちを全員、地獄に叩き落すとか」

「じ、地獄…」

「私の時もそれはすごかったもの。

気づいた時には、他の婚約者候補たちの会社が経営難になっていたりとかね…」