「依里ちゃん、ごめんなさいね。急に呼び出してしまって」

「いえいえ。晴人さんは仕事ですし、私もすることがなかったので助かりました」

私がお茶をテーブルに置くと、笑顔で頭を下げてくださいます。

こういう誠実な所が坊ちゃんの心を奪われたのでしょう。

「晴人が家にいて欲しいって、お願いしたんでしょう?

依里ちゃんはそれでよかったの?」

「はい。晴人さんの不安が少しでも減るならその方がいいので」

「あまり甘やかし過ぎてはダメよ?自分の意思もちゃんと伝えないと」