「依里、あんまり遠くに行っちゃだめだよ」 「はい、晴人さん」 「出かけるときは必ずSPをつける事。分かっているね?」 「分かっています。あなたは本当に心配性ですわね」 それぞれ夫に注意されて、依里は素直に、もう一人は少し不服そうにしながら頷く。 「依里ちゃん、お互いに夫の心配性には困ったものね」 「そうですね、お義母さま」 異常なほど愛される妻たちの悩みは尽きない。 けれど、その顔には常に幸せそうな笑みが浮かんでいる。