「本当に私でいいの・・・?その・・・あおくんは社長さんだし・・・ご両親にもご挨拶していないし・・・私なんかが・・・」


「莉央。オレは莉央と結婚したいんだ。莉央じゃなきゃ嫌なんだ。両親のことは大丈夫。それに、莉央も会ったことあるだろ?この公園で。うちの両親は大歓迎だよ。会社のことも考えなくていい。オレは莉央のことが大好きな、ただの男だよ」


あおくんは優しく微笑んだ。


その表情に、言葉に、態度に、あおくんが醸し出す何もかもが私を包み込んで安心させてくれる。


「あおくん・・・・・・私もあおくんのことずっと待ってたよ。私でよければ・・・じゃなくて、その・・・私の・・・王子様になってください」


恥ずかしさを堪え最後のセリフを伝えると、あおくんは本当に嬉しそうに笑って、


「喜んで」


そう言うと、私を抱きしめた。



「あーー、可愛すぎる。もう無理かも」


頭上からそんな言葉が聞こえて、私の耳が当たっているあおくんの胸からはドキドキドキと駆け足でリズムを刻んでいる心臓の音が聴こえる。


体を離され、必然的に上を見上げると、熱を帯びた目と視線が絡んだ。