そんな時、彼女は思ったのです。それならば仲間を作ればいいと。


何なんだこの話、そう思いながら光彦はバックミラーを見る。後部座席には女性を挟んで理子と学が座っている。真ん中にいる女性はーーー。

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

光彦の口から悲鳴が出る。刹那、ハンドルが全く動かなくなった。ブレーキも効かない。

車内に悲鳴が上がる中、女性だけが大声で笑っていた。



「ーーー昨夜未明、××山道で乗用車が崖下に転落するという事故が発生しました。車に乗っていた大学生の男女合わせて四人は全員死亡が確認されました」