「ハァ〜、失敗だったなぁ」

車に乗り込みエンジンをかけた後、八神光彦(やがみみつひこ)はため息混じりに言う。同じく車に乗り込んだ東真一(あずましんいち)、山野理子(やまのりこ)、水谷学(みずたにまなぶ)も、どこか落胆したような表情だった。真一がスマホを取り出し、触りながら言う。

「ネットには「写真を撮ると絶対何か映る」とか書いてあったのにな」

「掲示板のスレなんて当てにならないよ!創作だって多いし!この写真のどこに幽霊が映ってるって言うのよ!」

理子が撮った写真をバンと全員に見せる。画面には、暗く荒れ果て、そしてどこか不気味な一室でふざけたポーズを取る光彦たちの姿があった。背景はゾクリと背筋が寒くなるような恐怖を感じるものだが、光彦たち以外におかしなものは何も映っていない。

「まあ、今回も失敗だったってことだよね」

学がそう言いながら窓の外を見る。窓の外には、明かりが一つもない漆黒の闇が広がっており、その中におどろおどろしい建物がポツンと建っている。