〔新歓当日〕
『おめでとう!新入生勧誘会』と無駄に大きく立てかけられたおろし弾幕を横目に、
たくさんの部活動の紹介を聞き流す私は早く終わらないかと、
この時間が退屈で仕方がなかった。
ぶっちゃけ部活なんて興味がないんだよね。
そもそも、
親には迷惑かけられないし帰宅部一択。
だから、
放課後はバイト三昧な生活を過ごしていくつもり。
「えーじゃあ次、バスケ部男子お願いします!」
司会進行を務める教頭先生がバスケ部男子代表を呼ぶと、
仁がステージへ淡々と上がっていく。
何故だろう?
あれだけ静寂だったはずの体育館が、
次第に騒がしくなり始め、
私は流されるままステージの方へと目を向けた。
「ねぇ?あの人見て!カッコよくない?」
「えっ何部?バスケ?」
「彼女とかいたりするのかなー?」
周りの同級生の声が飛び交う中、
私の瞳は思うがままに彼の方へと吸い寄せられている。
なにこの不思議な感覚……
胸が高鳴り、ずっと見ていたい感じ。
もの凄く魅力的で文句なしの顔、
私はもうすでに彼に惹かれ、
夢中になってしまっている。
……いや、違う(首を何度も振る)。
これは単純に驚きで、
こんなにもカッコいい人がいるんだと、
ただびっくりしているだけ(私はそう自分に言い聞かせる)……
今まさに、
本能と理性がせめぎ合っていた。


