6月、私は仁くんの部屋で寛いでいた。



ベットの上に今まで撮ってきた大量のプリクラシールを並べ、思い出に浸る私たちはプリクラシールを眺めながら笑い合う。



「この仁君、変顔ヤバァーー」



「そういう、結空なんて俺の変顔より酷いぞ、これ!アルパカみたい」


お互いをイジり合うように、私たちはプリクラシールの可笑しな箇所を探し出す。



「はぁあ?可愛いじゃん!だったら、この仁君、ひょっとこォ〜〜」


仁くんの肩を強く叩き、戯れ合う。



「はぁあ?だったら、この結空、おかめ納豆のキャラァ〜〜」



「はぁあ?それはちょっと酷すぎなぁ〜い?だったら、仁君はザブングルゥ〜〜」



「いや、悔しいです!だけど、ちょっと何でも良くなっていってない?」



仁くんは微笑みながら、私のほっぺを手で掴み、私のムチューとした顔を見てクスッと笑い、そのままキスをしてきた。



「一時休戦……」



「ふふ、やだーァ♡」



私はそのまま押し倒された。



立て掛けてあるカレンダーには、6月6日のところに記念日と書かれてある。


まさに、今日は6月6日。


付き合って1年記念日だった。



「俺さ……広島の大学行くわ」


仁くんは突如、自分の進路を私に告げる。



「え!……じゃあ遠距離になるね」



「うん。結空はどうすんの?」



「うーん?私は就職するかなァーー」


私は浮かない顔をする。








「就職?進学とかしないの?」



「うーん?しないかなァー、とりあえず一人暮らしがしたいかも」



「え!一人暮らし?何で家から出たいん?別に家に居たらいいやん」


仁くんに言われるが、私は首を横に振った。



「家は窮屈なんだよね!ま、正確に言えば居場所がないんだけど……」


私の口調が強くなり、続けて話した。