忘れられない恋





「おめでとう」


仁くんは部活終わりに、私にある物を渡す。



化粧ポーチ。



今日は私の誕生日だった。


私は最近、休みの日は化粧をするようになっていた。


遥から教えて貰い、少しずつ上達していく化粧。


いつしか化粧道具が増え、使っていたポーチから溢れ出していた。



そのため、

化粧ポーチは必須で、

なくてはならない物だった。



「え!すごく可愛い。ありがと、大事に使うね」


私が誕生日プレゼントを貰い、大喜びする反応に仁くんはすかさず嬉しそうな顔を見せる。



「うん。喜んでくれて良かった」



3月はお互いの誕生日だった。


仁くんは3月9日で私は3月21日。



つい最近、仁くんの誕生日で私はニット帽を誕生日プレゼントとしてあげていた。


今日、まさにニット帽を被っている。


とても帽子がよく似合っていた。



思い出がたくさん増えていき、

気づけば……






もう学年が変わっていた。