忘れられない恋

一方、

2階の教室と同様、一階の教室でも私と遥は似たような状況だった。


私も仁くんと同じく元気がなく、机に顔を伏せている。



「ねぇえ、結空?」



「んーー?」



「それにしても一ノ瀬先輩ってさーー。してないならしてないで、何で連絡よこさないのかなァ?」



遥は疑問に思う。


結空以外に付き合っている人がいないのなら、普通に連絡できるはず。



だけど、仁くんは違う。

私の両親に嫌われた絶望感から、

きっとどうして良いのか分からないのだ。



「さあ?わかんない」



「もう連絡して来ないならこっちから連絡してみたら?」



「嫌だよ。返って来なかったら怖いし」


私は仁くんが落ち込んでいるのは分かっていた。



だけど、

何て声をかけたら正解なのか分からない。


それに、逆に傷つけてしまったらと思うと、

なかなか行動に移せないでいたのだ。



「はぁ……」


遥はため息ばかりつく。


いつもの私に早く戻って欲しかったのだろう。


遥も海斗と同じくモヤモヤがしばらく続いた。