忘れられない恋

「まだしらばっくれるつもりｨ？あんたって子はどんな神経してんのよ？もうこれ以上、結空を傷つけないでｪ！！！」


おかあさんは仁くんにまた怒り口調で叱りつける。



そんな光景もう……私には堪えがたい現実だった。



「もうやめてｪエエ！！！」


私はおかあさんから携帯電話を奪うと、

すぐさま電話を切り、

目から大量の涙をこぼしながら

部屋へと閉じこもった。



心配そうにその光景を見つめることしかできないおとうさん。



私は仁くんを怖がらせてしまったことを悔やんだ。



もしも、反対の立場だったらと思うと、胸が張り裂けそうになる。



「ちょっと言いすぎたんじゃないか？」


正利は千里に尋ねる。



「なによ、親として当然のことをしただけじゃない」



「そうだけど……まぁ、辛いだろうが結空のためなら仕方ないかぁ」


娘の涙に落ち込む正利。



「そうよ。悪いのは私達じゃないんだから。仁って奴が悪いのよ！」


千里は何故だか不適な笑みを浮かべる。