忘れられない恋

仁くんは部屋でくつろいでいた。


私からの着信に気づくと、すぐさま電話にでる。



「もしもし、どしたァーー?」


もちろん仁くんは私だと思い込んでいて、

電話越しの相手がまさか私のおかあさんだなんて知らない。



「あっもしもし、結空の母だけど」





「え……あ!こんばんは」


仁くんは驚き、なぜ結空のお母さんが電話してきたのか、慌てふためいていた。


考えても答えは見つからないが結空に何かあったのだけは察せる。



「ごめんね。仁くんに聞きたいことがあってね」



「……はい。何でしょうか?」


仁は嫌な予感がして気が気でなかった。



「仁君の悪い噂をお友達から聞いたんだけどさ」



「はい!?悪い噂ですか?」


やはり嫌な予感は的中した。


仁は身に覚えのないことに困惑する。



「二股だったり三股だったり、結空以外にも付き合ってる子がいるって聞いたんだけど」



「えッ?!何ですか、それ?!いったい誰がそんなことを?」



「それは言えないわ……で、実際どうなの?」



「え!それは……そんなことしてませんよ!結空さんだけです、お付き合いさしてもらっているのは……その噂、嘘ですよ」


仁は嘘の噂が流れていることに、

ショックを受けていた。


しかも、それが結空の親に伝わるなんて尚更だ。



仁は深く傷ついた。


誰がこんな嘘をついたのか。


悔しくて腹がたった。