忘れられない恋

「結空って呼んでもいい?」


一ノ瀬先輩は目を逸らしながら、

私にそう言った。



「はい。あっうん……私はなんて呼んだら……?」


敬語とタメ語が混ざりながら、

私は一ノ瀬先輩の顔をなかなか見ることができない。



「先輩は嫌かな。先輩じゃなかったら呼び捨てでも、君付けでも何でもいいよ」



「じゃあ……君で」


私は迷わず口にした。



「オッケー」



「じゃあ……結空」


一ノ瀬先輩は照れながら、

私に向かって言った。


私はなかなか一ノ瀬先輩の顔を見れらずにいたが、

勇気を出して顔を上げる。



「仁くん……ふふ」



呼び方一つで距離がグッと縮まった気がして、私は照れ笑いを浮かべる。



この広い海に見守られながら、二人は笑いあい、そして、今日というプロポーズの日、6月6日が二人の交際記念日となった♡