一ノ瀬先輩の告白に私は黙り込む。
なぜだろうか。
自然と目が涙で滲み、嬉しさの余り返したい言葉が口から出てこない。
一ノ瀬先輩は反応がない私に焦ったのか、再度尋ねてくる。
「あれ?ダメだったかな?」
「すみません。嬉しくてつい……」
私は言葉を詰まらせる。
一ノ瀬先輩から告白されるなんて、世の中まだまだ捨てたもんじゃない。
優しくて人気者で学年一のイケメンが私のことを好きになってくれたことを心から噛み締めた。
「あの……私も一ノ瀬先輩が大好きです。私なんかで良ければ、よろしくお願いします」
私は目に光る涙を手で拭い、微笑んだ。
一ノ瀬先輩も私の返事に、
安心して表情を緩める。
「あの、一ノ瀬先輩?私のどこが好きになったんですか?」
私は恥ずかしがりながら尋ねた。
「え!それは……結空ちゃんを初めて見た時に一目惚れしてさ。何か初めて自分のものにしたいなって思ったんだよね」
一ノ瀬先輩は照れ笑いを浮かべながら続けて言った。
「それから一生懸命頑張ってるとこ、笑顔が可愛いとこに惹かれていって……もちろん結空ちゃんの全部が好きだよ」
「そんな……ありがとうございます」
私は顔を真っ赤にして照れていた。


