私のケータイから一ノ瀬先輩専用の着信音が響き渡り、
それに気づいた私はいつものように電話に出た。
「もしもし」
「結空ちゃん……今日ってさ、時間ある?」
いつもと少しだけ違う一ノ瀬先輩に違和感を覚える。
急にどうしたのかな?
やけに一ノ瀬先輩の声が震えているような気がして、
こっちまでもが緊張してきた。
「え……?」
「来て欲しい場所があるんだけど……」
来て欲しい場所?
いったいそれはどこなんだろう?
もしかして……
デートのお誘いだったりして?
また私の悪い癖、
妄想が過激に膨らんでいく。
きっと、この後、
指定された場所にいくと、
一ノ瀬先輩が私の手を握り、
『行こッ!』と笑顔の秒殺スマイル。
そして、
UFOキャッチャーを楽しんでると、
お互いの顔と顔が急接近し合い、
私のおデコに『すきやり』とキス。
最後に、
『やっぱり、おデコじゃ物足りない』
と一ノ瀬先輩の顔がゆっくりと私に近づき、
トドメのキ……(また妄想が過激になったため、割愛させて頂きます。大変失礼しました)
「えっと……午前中なら大丈夫ですけど、どこに行けばいいですか?」
「なら今からプロポーズ丘公園来れる?」
え?プロポーズ丘公園?
場所を聞いた瞬間、
私は落ち着いていられなかった。
だって、
地元の人だったら誰もが知る恋人の聖地である告白スポット。
これは絶対、告白だ。
私は思えば思うほど構えることしかできなくなった。
「……はい。大丈夫ですけど」
「ありがと。じゃあ、気をつけて来てね」
「はい。分かりました」
「じゃあ、またあとで」
一ノ瀬先輩が電話を切ると、
私は渾身のガッツポーズを決め、
宙を何度も舞う。


