忘れられない恋

親友の安藤 遥《あんどう はるか》は戻ってきた私に、

羨ましそうに尋ねた。



「ちょっと結空、もしかして交換した?」

女子達は一ノ瀬先輩と何を話していたのか、

物凄く気になり自ずと集まり出した。



「うん……」


「えーーいいな!一ノ瀬先輩、結空のこと絶対好きでしょ?」



「そんなわけ……ないない」


私は携帯電話を再度開らき、

一ノ瀬先輩の番号とアドレスを、

また何度も見返した。


自分のアドレス帳に、

一ノ瀬先輩の連絡先が入っている。


ただならぬ喜びを表に、

出さない方が難しかった。



「ふふ、恋してるわ、この子。好きなんでしょ?一ノ瀬先輩」



「……」



私は少しだけ黙り込む。


携帯電話をしまい、

遥のもとに微笑みながら飛びついた。



「ふふ、分かりやすい子」


遥を含む女子部員達は私の恋を応援してくれた。





親友として。