ハートの箱の中身の正体……



それは、欲しくて欲しくて堪らなかった婚約指輪。


それも、私の目の前で輝き放っている。


まさかクマのぬいぐるみに婚約指輪を忍ばしていたなんて、裏の裏をかいたサプライズ。


私は当然、気づくことができなかった。





「俺と結婚して下さい」





私はそのお決まりのプロポーズの言葉を聞かされ、

嬉しさの余り号泣していた。


周りが引くぐらい泣いた気がする。



もちろん、私が返した言葉は『はい』の一択。



仁くんはホッと一安心し、

プロポーズに成功した喜びをガッツポーズで表わしていた。


すると、

イタリアンを楽しんでいた他のお客様達から祝福の嵐。


私は記憶に残る最高なプロポーズをしてもらい、幸せなこの瞬間を噛み締めていた。



「仁くん?」



「うん?」
















「だーーーーーい好き♡」





微笑み合う私たち、

これからもそんな二人の笑顔が、そして、

二人の幸せが永遠に続きますように——



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