忘れられない恋

「ところで結空?」



「うん?」



「松江出るって聞いたけど、それ本当?本当なら行かないで欲しい!!」


寂しそうに私を見つめたまま、

仁くんはお願いをしてきた。



「えッ!それは……」



「俺、今でも結空が好きなんだよ!

ずっとずっと、忘れることができず、結空のことばかり考えてた!!

だから、頼む!!行くなッ!!!頼むから行かないでくれッ……」


仁くんは自分の気持ちを正直に、私にぶつけてくれた。



そして、力強く涙を浮かべて……




私もそんな熱い気持ちに胸を打たれたのか、涙ぐんでくる。



「え?!私だって……私だってずっと仁くんのことばかり考えてたよ。

そろそろ忘れなきゃと自分の気持ちに嘘までついて、今まで素直になれなかったけど……でも、もう無理!!これ以上、自分の気持ちに嘘なんてつけない!

だって私、仁くんのことが好きだもん!今でも仁くんが好きで好きで堪らないんだもん!!

だから、離れたくない、仁くんとまた一緒に居たい!できることなら仁くんの傍に居させて欲しいッ……ゥヴ」



私の本当の気持ちを、ありったけの想いを今、仁くんにぶつけた。


溢れ出そうだった想いが一気に解放されると、私の胸の中がスッキリとしていく。