忘れられない恋

数分後、

いつものようにボールが足に当たり、ボールが遠くへ転がっていく。



はぁ、まただ……


ボールを拾いに追いかけに行った時だった。


私のボールがゆっくりと一ノ瀬先輩の許へ辿り着いた。


あっ……ヤバい……



ボールを拾い上げ、転がってきた方向を見る一ノ瀬先輩と目と目が合い、

時間が止まったかのように私は静止する。



ヤバい……どうしよ?よりによって一ノ瀬先輩の許に行くなんて……



「すみません。ボール……」



下手くそな上に迷惑までかけるなんて、

恥ずかしくてこの空間に居ることが耐えれない。



「これ君の?」



一ノ瀬先輩は優しく私に尋ねる。



「はい……」
 


「君、名前なんつうの?」



「え?木栖ですけど……」



「きすみ?下は?」



「結空です。あのボールを……」



「あっボール?返して欲しい?」



名前を聞かれ、戸惑う私に一ノ瀬先輩は笑顔を見せる。



笑顔が眩しくて、ほんとカッコいい♡

ついつい私はその笑顔に見惚れてしまっていた。