忘れられない恋





2015年1月、俺は憂鬱だった。



栞は残り二ヶ月ぐらいで卒業してしまう。




大学を卒業し、

仕事が始まれば逢う時間も減り、

環境も変わっていくだろう。


ここ最近、複雑でなんとも言えない心境に追われていた。



あの日、自分を救ってくれた大好きな彼女に何かしてあげたい。


俺は卒業までに何か喜んでもらえそうな物を渡すため、プレゼントを買いに出かけた。



しばらく、何にしようか考えながら歩いていると、俺は店外のショーケースに飾られたプリザーブドフラワーの置き時計に目を止める。



俺は見た瞬間、心を奪われた。


これにしよう。

華やかで栞にピッタリだ。


俺はプリザーブドフラワーの置き時計を栞にプレゼントするため、購入した。


早く渡したい気持ちを押し殺しながら、市街の大通りの交差点で信号が変わるのを待つ。


ひと気が多く、車がたくさん走っていた。


天気は曇っていて、肌寒い。



すると、

反対通りの歩道を歩く栞の姿……



俺はすぐ栞だと気付き、

信号が変わると同時に走って追いかけた。

















今日は月末。