忘れられない恋





2013年6月6日、約束の日。




「ちょっと、どういうことっすか?!何で走れないんですかァ?」




慌ただしくバスの車掌さんに詰め寄る俺は物凄くピリついていた。



「だから、お客さん!クラッチが駄目になって、どうにもこうにもギアが入んないんですよ!見ての通りバスもこんなだし!こればかりはすいませんねェ」



松江行きの高速バスが突然、故障からのガードレールに衝突。



整備士、代行バスが来るまで時間がかかると言われ、俺は約束の場所に間に合うか気が気でなかった。



俺も無理だと知っていながらも、どうしても走ってもらわないと困る訳で、車掌さんと揉める。



だけど、結空と逢える日をどれ程待ち望んでいたか、車掌さんは知らないわけでバスが再び走ることはなかった。



よりによって、事故に巻き込まれるなんて、クソォ!


ついてない。



携帯で松江行きの近くのバスや電車を調べるが止まった場所が田舎ということもあり、来る本数が少なすぎた。




3、4時間後まで待つとか終わってる。



だから、俺は代行バスが早く来ることを祈ることしかできなかった。



結局、代行バスが来たのは4時間後。



溜まったもんじゃない。



これじゃ、約束の場所に間に合わないじゃないか。



結空が辛抱強く待ってくれてないかと、それだけを期待して俺は松江と向かう。