「何で言わなかったのッ、このバカ!もう頑張らなくてもいいから!!」
美優が私を強く抱き寄せる。
え?頑張らなくていい?
その言葉を聞くと、何でか知らないけど勝手に涙が溢れ始め、涙が止まらなくなってしまっていた。
「……ッう……私、頑張らなくてもいいの?……み、美優ゥーー、ゔッ!!」
私には相談する人がいない。
それは勘違いだった。
だって、美優が居る。
「いいに決まってる!結空、正直に言ってくれる?いつからなの?」
美優は強い口調で尋ねる。
「……結構、前から」
「はぁーー私、最低だ!ごめんね、気づいてあげられなくて」
美優は溜め息を吐き、私を強く抱きしめ寄せながら、背中を摩ってくれる。
今はそれしかできなくても、私にとっては有難かった。
「美優?私……もう限界、助けて!」
今まで言えなかった言葉が私の口から溢れる。
「何言ってんのよッ!助けるに決まってんじゃん!私が何とかしてあげるから、絶対ッ!ァァーー結空を傷つけるなんて、ホント許せない!!!」
何が何でも懲らしめないと気が済まない。
美優は北斗を酷く憎んだ。
何十倍、何百倍にして返さないと、美優の気持ちは穏やかでいられない。
友達がこんなにも酷い目にあって、辛い思いをして、恨まない方がおかしいよね。
美優は復讐の念に燃えていた。


