「何で分かんねえんだよッ?俺がお前のこと想う気持ちがよ!」
まるで正論を述べるかのように自分勝手な北斗は愛される努力をしない。
むしろ、そんなこと言われて愛せることなんてできないし、逆効果なんだよね。
私は眉間に皺を寄せ、歯を食い縛ることしかできなかった。
「なんだよ、その顔ォ?!クソ気にいらねェ!!」
私の存在定義は崩壊し、私は幾度となく顔を叩かれ、身体を蹴られる。
北斗と過ごす毎日はあんなにも楽しくて幸せで、いつも笑顔だったはずなのに、今では恐くて逆らえず、私の顔から笑顔は消えていた。
『やめて』の声なんて北斗には届かない。
私は何度も何度も……
叩かれ……そして、蹴られ続けた。
なにより、一番嫌だったのは無理矢理、服を脱がされること。
「俺のこと好きか試させろッ!!脱げ!!!」
私が嫌がり、悲鳴を上げても北斗は何とも思わない。
だって、あなたはもう人間じゃないもの。
邪悪に取り憑かれた悪魔みたいに、心は冷徹だった。
もう無理かも……
何百回思ったことだろう。
『別れよう』
いつしか、そんな言葉を私は繰り返すようになっていた。
「はあ?次言ったら殺すぞ!」
でも、北斗は別れてくれない。
むしろ『別れよう』なんて口にしたら、もっと酷い目にあう。
殴る蹴る、そして、言葉の暴力。
私は怖くて、『別れよう』の言葉が言えなくなった。


