忘れられない恋

「おいｨｯ！おせｪんだよｫ！」



仕事終わり、家に帰ると北斗の怒鳴り声が部屋中に響き渡る。



「既読スルーすんなよｯ！すぐに返せれんだろｯ！！！」



床の上に投げ倒され、容赦なく髪を鷲掴み、鋭い眼光で私を睨みつけ、罵倒する毎日。



「なｧ？どんだけ心配したと思ってんだよｯ！聞いてんのか、ゴラｧｯ」



いつも機嫌が悪くて、お酒を飲んだらもっと気性が荒くなるアルコール中毒者の北斗は私のことなんてお構いなし。


私のことなんて大切に扱ってくれなくなっていた。



さらには、


『職場の男や男の客と話すな！』

『連絡はすぐに返せ！』

『俺以外の男を見んな！』

などと北斗は仕事中にも関わらず、LINEの返信を強要したり、職場の仲間や男性客との会話を禁止したりと、北斗は束縛が激しくなっていく。



私は自由を奪われ、北斗に怯えて暮らす毎日。


彼氏だからって限度っていうもんがあるよね……



私の家に勝手に居座って、罵詈雑言を浴びせる北斗に、私の心と身体は疲弊し、限界を越えていた。