忘れられない恋


「いや、違うの!告白、嬉しかった。私も北斗と居て楽しかったし、もっと北斗のこと知りたいと思えた。だから……いいよ。付き合おう!ふふ」



本当に嬉しかった。


北斗の想いがガラガラな声だとしても、私にはグサッと届いたのだ。



「え!本当に?やったァーー!!!」



店員とお客様だった関係が、彼氏彼女の関係に変わり、北斗は無邪気に飛び跳ねる。



「うん、ふふ。もォーちょっとヤメてェ〜!ホント声笑えんだけど!普通、ガラガラな声で告んないでしょ?」



大喜びする北斗を見ては、可笑しくて私はお腹を抱え込んでいた。



「はは、これもこれで狙い……通り」




「嘘つけえーーー!」



「はは。でも、よかった。成功して」



北斗は安堵し、笑みが溢れていた。



「いや、私じゃなかったら、振られてるからね!そこ忘れないでくれる?ふふ」



「はは、だね」



私と北斗が出会ってから、まだ1週間ぐらいしか経っていない。


早い段階で恋人という関係になってしまったが、まだ全然北斗について知らないことがいっぱいある。



でも、きっと北斗なら大丈夫。



私を幸せにしてくれる。


私を笑顔にしてくれると言ってくれたんだから。



「今日はありがとね」



「あっうん。もう帰る?」



北斗は寂しそうに私に尋ねる。



「うん。もう遅いし帰ろっかな!」



「じゃあ、家まで送るよ」



「えっ!ほんと?ありがと」



車なんて持っていない私は北斗の言葉に嬉しがった。



「うん」



北斗は私を車に乗せ、家まで送ってくれた。



幸せとは無縁だと思っていた日も、今日でさよならできる。



私は幸せそうに微笑んだ。