「結空?」
「うん?」
帰り際、遥はこんなことを私に言った。
「これは友達、いや親友として言うけど、結空には幸せになってもらいたい。
私は幸せじゃないとか、私は幸せにはなれないんだとか思ってたら駄目だよ。
どんな小さな幸せにも感謝して毎日を過ごさなくちゃいけない……
幸せは必ずしも寄ってくるとは限らないわけだし、いくら待ってても来ないもんは来ないんだから!
幸せは自分から掴み取りにいかなくちゃダメだよ!」
「う……うん」
「一ノ瀬先輩の件は残念だったけど、私は結空がまた幸せを掴み取ることを願ってる。
だから、私は幸せにはなれないとか思わないでこれからの人生を歩んで行って欲しい」
遥はそう言い残し、笑顔で帰って行った。
「ありがとう」
ホント、遥の言った通りだよね?
自分の考え方、思い込みを改めて見つめ直さなきゃ。
いつまでも、ウジウジしてられないし、私だって幸せになりたい。
私は幸せの定義を見つめ直すことにした。


