忘れられない恋


決めた。



私、男子バスケ部のマネージャーになる!!



少しでも近くにいたいし、

ちょっとでも話しができたらラッキー。



そんな軽い気持ちで放課後、

体育館のドアを清々しい思いで開けてみせた。



ガッシャーンッ!!



体育館に入った瞬間、私は目を疑った。



えっ?!

もうすでに私みたいなのがわんさかいるじゃないか!



「きゃーー♡♡、一ノ瀬先輩ーー♡♡」



一ノ瀬先輩目当ての同級生たちがもうすでにアピール合戦をしている……。



私がーー私がーーと先陣切って、ライバルたちが動き出すのを見て、私は先を越されたことに憂鬱な気分になっていた。



ライバルが増えたのが嫌になったのか、

少し殺気が混ざった視線が気になる。




歓声が沸くほど、隅に追い出されるアウェイな感じ。



そんな外野側の事情なんて知らない一ノ瀬先輩は、

みんなに優しく手を振り返していた。