忘れられない恋

「え?あ!確かに」



「決めた、会って来る」


仁くんは高校卒業後、広島の大学に進学していた。


仁くんの行っている大学は私も知っている。


私は大学に行けば仁くんに逢えると確信した。



「恋の力は凄いねぇ〜」



「私、お金貯めて広島行く」



私は今すぐにでも飛んで逢いに行きたいところだが、焦らず仕事に専念することにした。



「今度こそちゃんと逢ってよね」


美優は願い、祈ることしかできないが、

一番気にかけていたに違いない。


私と仁くんが幸せになってほしいと。



「うん。ありがと」



私はいつ逢いに行けるか分からないが、

少しだけ気が楽になった。


私と美優は開店作業に取り掛かるため、

スタッフルームを後にした。