忘れられない恋

「こんにちは!バスケ部の一ノ瀬です。今日はバスケ部の勧誘に来ました」


仁は凛とした眼差しで、

キラキラと熱視線を送る私たちを見渡した。


皆が観ているというのに、

全く緊張を表さない堂々とした姿勢に、

また私たちは彼に惹かれたに違いない。



「バスケ未経験でも大丈夫です。先輩達が優しく丁寧に教えるんで、たくさんの入部をお待ちしています」


勧誘の挨拶を終わろうとしたが、

何か言い忘れているのに気づき、

照れ笑いを浮かべる。


彼の笑顔が堪らなく愛おしく思えるほど、

一人またひとりと一ノ瀬先輩の虜になる者が続出した。



「あ!そう言えば、マネージャーがいないんで、マネージャーの入部もお待ちしています」


仁は前を見て一礼し、

ステージ裏へと下りていく。