甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 そんなある日。

 朝いつものように一人で登校し、教室へ行こうとした時の事。

 いきなり、目の前から女の子が飛び出してきたのだ。

「わっ……!」

 その女の子は驚いたような声を上げて、急ブレーキを踏もうとしていた。

 だから咄嗟に、手を伸ばしたんだ。

「大丈夫?」

「……あっ、はいっ! 全然平気ですっ……!」

 私が確認をとると、彼女ははっと我に返ったように答えた。

 ……まぁ、見た感じ怪我はしてなさそうだし大丈夫そう。

 けどこの子……めっちゃ可愛い。

 ブレザーの刺繍の色が水色だったから、すぐに二年生……私の一個下だという事が分かる。

 今どきの高二はこんな可愛いのか……女子力高そう……。

 小動物のような可愛さオーラを出している彼女は、私の視線に困ったように眉を下げている。

 あっ……流石に見すぎた……。

 私には可愛いものを見ると、つい凝視してしまう癖があるらしい。

 従姉妹にもよく同じ事をして、可愛く怒られるしなぁ……。

 でも、怒った顔も可愛いから私的には無問題なんだけど。