甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 私はこの性格上、独り身のほうが断然楽。

 恋愛する気もさらさらないし、したくないまである。

 卵焼きを食べながら、私はぶっきらぼうに返した。

 そんな私に静流は、「ふーん……。」とどこか意味深そうに呟く。

 え、何、静流こわ……。

 心の中で若干、静流に引く。

 だけどいつも無気力でだるそうにしている静流の考える事は、私には分かりっこない。

 だから無視するほうがいいと、最終的には結論付けた。

 ……これが、私の非日常。

 今でこそ日常の中に溶け込んできているけど、最初は気まずさや面倒が勝っていた。

 でも静流とこういう時間を過ごしていく旅に、これはこれで悪くないかも……なんて思い出していた。

 静流は私が何を言っても受け止めてくれるし、愚痴でも何でも聞いてくれる。

 静流にパンを寄付したところから、私は案外乗り気だったのかもしれない。

 今ではそう思う。

 今日も私は静流とお弁当を食べ終えた後、少しだけ日向ぼっこをしてのんびりとお昼を過ごした。

 ぼんやりと、この平和が続けばいいなぁ……と思っていたのは、静流にも言いたくない。