甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

「静流、何であんな事……!」

 私は静流にほぼ強引に連れられた屋上で、苛立ちを抑えきれずにいながらそう言う。

 どうして、あんな真似を……!

 もしかして、私が静流を好きだって言ったから……?

 でも、あれはたまたま口が滑っただけで……というよりも、状況が状況だったから、信じるに値するものじゃないと思う。

 それなのに、静流はどうして……。

「私が静流のこと好きだって保証は、どこにもないはずだよ。」

 私はまだ、不完全燃焼だ。

 自分の気持ちくらい、自分の頭がはっきりしている時に言いたかった。

 なの、に……っ、静流は、曖昧な言葉を信じたなんて……っ。

「静流の、馬鹿……っ!」

 ――悔しすぎる……っ。

 言いたい事は、自分で言いたかったのに。

 自分にも、静流にも、苛立ちがこみ上げる。

 制御しようにも、感情に身を任せすぎているせいでできない。

 感情的になり、そのまま静流に背を向ける。

 ……それをいとも簡単に突破するのが、静流だ。

「強制的にコンテストに参加させたのは、悪かった。香を連れて行ったのは、他の奴らに牽制する為……だったんだ。香の気持ちを無視してしまったのは、申し訳なかった。」