甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 足がすくんで、動けない。

 どういう、状況……っ。

 あれよあれよと連れられてきた、ステージの上。

 何も言えずに立ちすくんでしまっていると、いきなり静流が私の肩を抱き寄せ。

「……香は俺のもんだから。」

 そう言って……私の頬にキスをしてきたのだ。

 ちゅ、っと甘い音が響く。

「っ……! し、静流……っ!」

 今、何して……っ。

 静流の行動がよく理解できないまま、私は呆然とする。

 だけどそんな私とは裏腹に、観客はざわついていた。

「公開キスじゃん……! うっわ甘々~。」

「このコンテストであそこまでするカップル、あたし見た事ない!」

「いいなぁ~、うらやまし~!」

《おおっと、最後のエントリーカップルがこれとは……! 結果が変わっていきそうですね!》

 司会者の興奮まじりの声が聞こえ、今すぐ耳を塞ぎたくなる衝動に駆られる。

 でも何故か、静流は少し面倒そうな表情を浮かべた。

「最優秀賞はいらない。」

「わぁっ……!?」

 そして、それだけを告げて私をいきなり抱き上げて体育館から出た。