甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 それもそのはず。乾望遙は、この公の場で彼女ちゃんを抱き寄せているんだから。

「杏は俺のなんで、奪おうとか狙おうとか思わないようにね。」

 退場する間際にはそんな言葉を残し、とりあえず一組目が終了した。

 なんか……彼女ちゃん、どんまい。

 乾望遙は相当彼女ちゃんに惚れこんでるっぽいから、彼女ちゃんは大変なんだろうなぁ。

 ……なんて、私は他人事のように思っていた。



 その後も何組かがステージに上がり、アピールをしてから退場していって。

 もうそろそろ終盤に差し掛かろうとした、その時だった。

「香、来て。」

「えっ……し、静流っ……!?」

 どこからか伸びてきた腕に、私は強制連行されていった。

 その腕の主は静流で、わけが分からないままどこかに連れていかれる。

「静流、一体どこにっ……って、な、何でここに……!」

「ん、もうそろそろ出番だから。」

「え、ちょっと……!」

 ……そして気が付けば私は、ステージの上に立っていた。

 一気に視線が私たちのほうに集まる。