甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 あぁ、そっか。今日が、コンテスト……。

 静流とのことが気がかりすぎて、すっかり忘れてた。

 本当は、去年みたいに出なくてもいい。

 面倒だし、女子の黄色い悲鳴がよく聞こえてうるさいから。

 ……だけど私は何故か、足を体育館へ向けていた。



 豪勢に彩られた体育館内は、まさにジューンブライド……六月の結婚という雰囲気で。

 白や水色、桃色などたくさんのファンシーな色で包まれている。

 所々には百合の花や紫陽花、芍薬などが置かれていて結構本格的だ。

 ステージの上もバルーンやレースなどで飾られていて、まるで本当の結婚式場みたい。

「もうすぐ始まるね……! 見る側だけど楽しみ~!」

「うんうん! あーあ、本当はあたしも出たかったなぁ……。最優秀者には百合のバッジが渡されるんでしょ? 欲しかったよ~!」

「まぁまぁ……まだ来年もあるんだし、頑張りなって。」

 前方から和気藹々とした一年女子たちの話し声が聞こえて、一人息を吐き出す。

 そっか……私は今年で卒業だし、来年なんてない。