そう考えながらも、はづきんを待たせるわけにはいかないから急いで扉を開ける。

 ゆっくり扉を開けて、はづきんを視界に入れる。

 学校からそのまま直行してきたのか、制服のままだ。

 ……その途端、はづきんがあたふたと慌て始めた。

「香ちゃん良かったよ~! 香ちゃんママから私に連絡来た時、香ちゃんが倒れたって言われたから……でも、無事そうで良かった~! ……あっ、でもどこか怪我とかしちゃってたり体調悪いかも……」

「あー……はづきん、心配しないで。私はほら、大丈夫だから。」

「で、でもっ……」

「ま、とりあえず部屋入って。話はそれから。」

 不安の影を落としているはづきんを強引に部屋に入れて、一息吐く。

 お母さんがはづきんに連絡……うん、全然あり得る線だ。

 疑問に思っていた事が腑に落ちて、はーっと深呼吸する。

 だけどそれと同時にはづきんが、眉の端を下げて泣きそうな表情を浮かべて尋ねてきた。

「ほ、本当に大丈夫……? 香ちゃんが倒れるなんて相当の事だから……な、何かあったの?」