甘くて優しい青春恋物語 ~初恋ジューンブライドの誓いは甘酸っぱい~

 それは……何となく自分でも分かっていた。

 だけど、家事が壊滅的な俺にはどうしようもない問題。

 だからなのか、それが祟ったらしいある日……姉貴が言ったように、野垂れ死にかけた。

『あんた……大丈夫? 何でこんなところで、倒れてんの……?』

 三日間何も口にしていなかった為、俺は校内にあるベンチでぐったりとしてしまっていた。

 そんな時、おもむろに香がやってきたんだ。

 直球に尋ねられてしまい、一瞬だけ戸惑ってしまったのを今でもよく覚えている。

 でも体力的にも流石に限界を迎えていた俺は、ぽつりとこうなっている経緯を軽く話した。

 ……すると香は、直後にスクールバッグをガサゴソと漁ってから。

『とりあえずこのパンあげる。だからそんなところで寝ちゃわないでね、風邪引くよ。』

 そんな言葉を共に残し、スタスタとどこかに行ってしまった。

 極めて面倒そうな、後悔が残っていそうな表情を浮かべながら。

 香の背中を見送ってから俺は、残っている体力で貰ったパンを見つめる。